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人工膝関節(ひざかんせつ)全置換術とは

変形性膝関節症や関節リウマチの治療には、以下の治療が選択できます。
しかし、変形が強い場合では、対処療法に抵抗性のため、痛みをとることは困難です。
人工関節に置き換えることが、確実に痛みをとる方法と考えます。 

選択可能な治療

◆保存療法
軽度〜中等度の場合、下肢の筋力をきたえる理学療法に加え、鎮痛剤や湿布薬、ヒアルロン酸ナトリウムの関節注入や足底板という装具療法で治療可能。これらの治療でも改善しない場合は手術療法が必要となります。 
◆関節鏡視下滑膜切除
いわゆる関節内のお掃除です。軽度〜中等度の場合の患者さんの場合には、保存療法との併用で症状が改善する方がいます。しかし、根治的な治療ではありません。
◆高位脛骨骨切り術
活動的な60才以下で病期が進んでいない患者さんには、高位脛骨骨切り術といって、脛骨(すねの骨)を骨切りし、外側に骨を傾けることにより、内側に片寄っていた荷重線(体重のかかる方向)を外側に分散させ痛みを減らす治療法が行われます。
◆人工膝関節単顆置換術
もう少し病期が進めば内側または外側のみの人工関節で治療します。人工膝関節単顆置換術(UKA)といって病変のある内側のみ小さな人工関節で置き換えます。
しかし、最も変形が進んだ段階になれば人工膝関節全置換を行はなければ治りません。

人工膝関節(ひざかんせつ)全置換術とは

 人工膝関節置換術では、変形性膝関節症や関節リウマチによって変形した膝関節の表面を取り除き、関節が滑らかに動くように正常の膝関節の表面に似た形に設計されたインプラントと呼ばれる部品に置き換えます。
 インプラントは大腿骨部、脛骨部、膝蓋骨部の3つの部分から成っています。大腿骨部と脛骨部の本体は金属で出来ていますが、脛骨部の上面と膝蓋骨の表面はポリエチレンでできていて、これが軟骨の代わりになります。
 また変形性膝関節症に伴って生じたO脚も、手術の際に出来るだけまっすぐになる様に矯正します。
 当院で主に使用している機種は、日欧米で多数使用され、安定した成績を残している標準的な機種のひとつです。日本式の生活に合わせた深屈曲対応タイプのものも開発され、当院でも使用しています。
 使用するインプラントは障害の程度によって異なります。障害の程度が比較的軽い場合は骨の表面だけを削って置き換えますが、膝関節の破壊が進み、障害が著しい場合には、擦り減った骨を補充するためなどに複雑な膝関節部品が必要になります。
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